Q3.昨日こられた患者さんですが、 20歳まで中国にいたときは虫歯なかったのに
   日本にきてから虫歯になったのはなぜでしょうか?(お父さんが残留日本人でした)
   晩御飯のあと、歯磨きするけど、そのあとお菓子食べて寝るそうです。
   幼児の頃は、中国ですごされて、甘いもの食べてなかったら大人になって虫歯はでき
   ないはず?生活習慣が変わったからでしょうか?

絵本の中でも述べましたが、ミュータンスの「感染」はたぶん完全には防げないと思います。
(過去に、ミュータンスが口腔内から検出されずカリエスフリーの方がいたそうですが)
3歳までに砂糖を取らせず、ミュータンスの「定着」を防ぐ(ミュータンスの住みにくい環境をつくる)のが私の書いた方法論です。
すなわち、ミュータンスを含めていろんな細菌が口腔内にはいるけど、ミュータンスの能力を発揮させない、勢力拡張させないということです。
ですから、口腔内からミュータンスがいなくなるのではありません。
いつでも、ミュータンスは、待っているのです。
当然、お菓子食べたまま、ジュース飲んだまま歯磨きせず寝てしまったら(悪習慣を続けていたら)齲蝕の危険性は出てきます。
その患者さんの子ども時代がどうだったかわかりませんが、大人になって齲蝕ができるというのは口腔内がかなり悲惨な状態であることが考えられます。
大人の歯はCa取り込んで十分成熟してるから、子どもほど齲蝕の危険性は少ないはずですから。
ただし、高齢になってくると歯周病の進行とともに根面部齲蝕(歯根カリエス)の危険性がでてきます。
文面から考えられるとすれば、「寝る前にお菓子を食べる」が原因でしょうね。
その患者さんに、「晩御飯のあとの歯磨きはしなくていいですから、寝る前の歯磨きをして下さい」と指導してあげて下さい。
「寝てる間は口の中が乾燥しやすく、またじっと静止してるために虫歯が一番進行しやすい」ということも必ず説明して下さいね。