〜待合室におすすめの一冊〜
会員の稲葉先生が絵本を出版
「どーしてわたしにはムシバがないの」
           岐阜市 柴田学


 当協会会員の稲葉幸二先生が絵本を鳥影社から出版されるとのことで、発売前のゲラ刷りを読ませていただきましたので、皆様に紹介したいと思います。
 対象は「母親になったはかりの女性」と「もうすぐ母親になる女性」だそうです。
絵本の内容は「子どもにむし歯をつくらないようにするにはどうしたらよいか」ということで、その方法が分かりやすく書かれています。
 稲葉先生は、これまでも母親学級などで「三歳までのむし歯対策が大切」と訴えて来られました。
赤ちやんが誕生して大体一歳半から三歳の間にその子の口の中の常在細菌叢が決まるといわれており、この時期にS.mutansが常在細菌叢の優位菌となり定着すると、一生その子は齲蝕の危険にさらされることになります。
逆にこの時期をクリアすれは、その後砂糖などを摂取しても齲蝕の発生率が極端に減るということなのですが、今回は絵本で、このことをわかりやすく紹介しておられます。
 絵本の中では、S.mutansは「ミユーたん」ちやんと呼ばれて、小学校1年
生のえりちやんが上手に解説してくれます。
このえりちやんのモデルは稲葉先生のお嬢さんですが、三歳までのお菓子やジュースを飲まない生活の様子が具体的に紹介もされていて、参考になります。
これならば、若いお母さん達にも親しみやすく読んでいただけるものと思われます。
私も、これを読んでいると、子どもにむし歯をつくらないことがいとも簡単に実践できそうな気がしてきます。 
絵本の絵は、やはり稲葉先生のお嬢さんの作品。この絵もなかなかのものです。    
 歯科の待合室だけでなく、医科の先生方の待合室にもぜひ置いていただきたい本です。
特に内科、小児科、産婦人科の先生方にはおすすめの一冊です。